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船に入り、リアは瞳を丸くした。
音楽に合わせて優雅に踊る男女。誰もが仮面を被り、素性を隠している。
日常から抜け出し、特別な環境で踊る男女の頬は高揚し、他人を気にせずに楽しんでいる。

リアの胸がドキドキと高鳴った。
普段リアが王女と共にする夜会よりは規模も小さく、簡素な会場ではあったが、そこには今までにリアが感じたことがなかった魅力を感じた。

人々をじっと見つめるリアを見て、ゼンは微笑んだ。
気に入ってもらえたようだと。

「見ていないで踊らないかな?」

「……え?」

リアが首を傾げる。どうやら自分があの場に混ざる想像はしていなかったようだ。

「いや、こんな誘い方では女性に失礼だね」

ゼンはクスッと笑って、リアの足元に跪き、手をとり、口付けた。

「一曲踊っていただけますか?」

リアの頬が赤くなる。
しばらくして、ゼンが顔をあげると、リアは遠慮がちにはにかんで、

「……はい……」

と返事をしたので、ゼンの胸も大きく脈打った。