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やがて2人が、出た場所は、王宮から少し離れた、町外れの丘だった。


「こんな所に繋がっていたのか……」

「歴代の護衛はあの部屋を使うんだろう?昔はこの王国も戦争をしたり、反乱分子に王宮を襲われたりしていたからな。姫君や若君をこっそり逃がすために、ああいう通路が王宮にはいくつも隠されているはずなんだ」

「……だから……なぜ貴様がそんなことを知っている……」

リアが怪しんでゼンを見つめる。ゼンは肩をすくめてみせるだけであった。

「それより行こうか。海へ行こう」

「海……?」

「船の上で面白い事をやってるんだ」

ゼンは丘から駆け降りて、大きな木に繋いであった馬をひいてきた。栗毛のその馬は賢そうな瞳でリアを見つめた。

「さぁ行こう。乗ってくれよ。馬車じゃなくて悪いけど」