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幼いキリアは、泥まみれの薄い布で出来た服を纏い、薄暗い路地を歩いていた。
お腹が空きすぎて痛みまで感じる腹をさすりながら、猫背で歩く。

前方を睨んでいたら、ゆっくりと灯りが近付いて来るのが見えた。

段々近くなり、それが、酔っ払い貴族だと気付いたキリアは、ニヤリと笑った。

(カモが来た……)

貴族の男にドンっと勢いよくぶつかる。

「おっと、ごめんよ」

そう言って逃げようとした時、キリアの腕に灯りの火があたった。

「あちっ」

その弾みに、キリアは転び、盗んだ金が散乱した。

「やべ……」

「貴様っ!」

酔った男が、腰の剣を抜き、キリアを斬ろうと振りかぶる。

キリアはばっと目を閉じた。

キィンッ