気付けば雅兄もあたしの指さした方を見ていて、

急に何を思ったのか大声で叫びだした。


「海斗ーー!」


「は?」


呆気ない言葉を出したあたしとは対照的に

雅兄はいつも通りニコニコ笑ってた。



……そして、


「あれ?雅也さ、ん?」


海斗が気付いてこっちに向かって走ってきた。

幸いなことに隣にいた挑戦状女は置いて。


「どうしたんですか?こんな所で。

恵美さんとです、か………?」


「いや、妹と」


雅兄はいたって普通だけど

海斗の方はあたしを見て、目を丸くさせた。