怒ろうと息を大きく吸ったとき、




「貴大わかってんだろ?」



いつもより真剣な創平の声。


その声にハッとして、
また息を吐き出した。




「俺はもう、好きな奴なんか作らない。
そう決めてんだよ」



「わりぃ・・・・・・」




冷めているのか、悲しんでいるのか。

表情がよく読み取れなかった。




創平、まだ引きずってるんだ

2年前のあのことを・・・・・・・・



俯いてプリントを見つめている創平に、
かける言葉が見つからなかった。


ただ1つ言えること。






「でもそれとこれとは関係ねーから」



ピラピラ濡れて重くなったプリントを、
創平の前で揺らす。




「・・・・・・・てへ」


「だから、キモイっての!!」


「怒んなよ、貴ちゃん。
つーか俺よりお前だろ?」


「はぁ!?」