肩にぐっと力を入れて、
覗き込んでくるあかりの顔を見つめる。


「な、何よぅ・・・・・・」


「ふっふっふ~。あっ!
あんなところに貴大クンだぁ~」



不適に笑いながら指差すあかり。
その先には青木君が居た。


帰るの遅くない? 居残りとかしてたの?

タイミング悪いぃー・・・・・・・


失礼ながらにも青木君を恨んでしまった。


ゴメンナサイ。
でも謝るか、だって“違う”もん。



「“違うなら”いいよね?」


違うのと頃をやたらと強調して、
隣で笑うあかりを見る。



「違うならいいんじゃない? うわっ」


あかりがそう言った瞬間、腕を力いっぱい引っ張って前を歩く青木君、いや貴大へと近づいた。



「た、貴大ッ!」


振り向いた貴大。

少しびっくりしてそうなのは無視して貴大の横を止まるとこなく突き進み、



「美術休んでごめんね!
次からはちゃんと出るからねっ!」



これだけ伝えて、
貴大の返事も待たずに通り過ぎた。


あぁああ! 心臓に悪いッ


握っていたあかりの腕を、
さっきよりも強く握る。



「おーぅ! 次からよろしくー」



大きな貴大の声が廊下に響いて、
なぜか顔が火照ってしまったことは


あかりには絶対内緒だ。