「ずっと好きで、
この気持ちは変わらないと思ってた」
高校を決めたのだって、
旬がいるからここにした。
もしも旬が違う高校を選んでたら、
あたしは貴大に出合うこともなかった。
そう考えたらさ、思っちゃうんだよ。
―――運命ってあるんだって。
「でも、違ったよ。
高校に入ってから違う人が好きになった」
貴大が顔だけ振り返ったのがわかった。
顔を見られたくなくて、
背中に顔を埋める。
その背中があまりにも温かくて、
なんだか涙が出そうになる。
「無口で大人しい人だと思ってた人は、
実はすごく優しくて、
人のこと考えてて、
すごくあったかい人だった・・・・・」
声が震える。
ここで泣かないで。
今泣いたら、貴大が困るじゃん。
貴大は優しい人だから、
“答え”を出すのに戸惑っちゃうでしょ?
泣いちゃダメ・・・・・・

