もう失うものはないはず。 あたしは、 貴大の気持ちを知りたかった。 それで教えてもらったんだから、 ―――だから、 あたしの気持ちも知って欲しい。 「柊・・・・・・か?」 戸惑ったような貴大の声。 この声に一瞬決意が揺らぎそうになる。 だけど必死に食い止めて、 唇を小さく振るわせた。 「あたしは、旬が好きだった」 あたしの言葉に、 貴大の身体がピクリと動く。 少しだけ間を空けてから、 もう1度貴大の背中に話しかける。