何に、なんて。

考えなくてもすぐに分かる。




“柊の気持ちを知ること”が、



――怖い・・・



“柊の距離を置かれること”が、



―――怖い・・・・





何よりも、

“自分が傷つく事”が、





―――――1番怖い・・・・・





柊に背を向け、
一言声を掛けて帰ろうとした。



「じゃぁ、また・・・・・」


「ねぇ、貴大」





俺の言葉をさえぎって、
さっきの怯えた声とは全く違う声。



その声に無意識のうちに振り返る。




俺の視界に入った柊は、
俯いていて表情までは分からなかった。