こういうとき、
自分から動ける人ってすごいよねー。
あたしなんかホラ。
この雰囲気に負けて、
足がっくがくだよ・・・・・・・
「っくしゅ・・・・」
思いがけず出たくしゃみ。
恥かしいな・・・・・・
あたしの今の格好はというと、
セーラーを着ているだけで上着を羽織ってない。
ノートを取りに来て、
そのまま職員室に提出して、教室に帰ろうとしてたから。
あぁ、恋しいよカーデガン・・・
寒さを少しでも和らげるために、
両手で腕を必死にこする。
「柊」
不意に聞こえたその声に。
顔を上げるより先に、
あたしの肩に乗っかったあるモノ。
ふんわりとした香りを放ったそれは、
あたしの体をすっぽりと包んでしまった。

