ドシンと俺の胸辺りにぶつかる“何か”。
鈍い痛みに顔を下げると、
「いったーい・・・・・」
ぶつけた鼻をさすってる柊だった。
いきなりの対面に、
ビックリしすぎて声が出なかった。
「ご、ごめんなさ・・・・・」
そう言いながら顔を上げる柊。
その大きな目が、
よりいっそう大きく見開かれた気がした。
絡まる視線。
いつまでも目をそらさない柊に、
負けたのは俺だった。
ふいっと顔をそらすと、
柊のビックリした声が聞こえる。
「た、貴大?」
「・・・・・・・何してんの」
そう言うことが、精一杯。
必死に冷静を保って、
上ずりそうな声を静めた。

