初恋+one




完全に疑う視線。



その視線をもろともせずに、


「貴大携帯どっかいったって言ってたっしょ」


笑顔でけろりとそう言った。




「まぁ、でも多分忘れただけ・・・・」




これはほんと。

朝出たときは持ったと思ったんだけど、
どうやら忘れてしまってたらしい。


朝連が終って創平に言ったから、
創平が知ってても別に変じゃない。




「実は俺が隠したんだよね」


「はぁ!?」




創平のビックリ発言に、
思わず眉間に皺がよる。




持ってた弁当を、
勢いよく机に叩きつた。



「なんで! 何してんの!!」


「俺用具係だったじゃん?
んで、部室行ったら貴大の携帯落ちてるわけ。

これは隠さねば!!っと思って」


「アホか、お前!」


「いつ気付くか待ってたんだよ~」



あぁ、創平のニヤニヤの理由はこれか。



変に納得してしまって、
その瞬間からだの力が一気に抜けた。