“悲しいよ”






どこからか、そんな声が聞こえた。



辺りを見渡しても何もなくて、


あるのは、





自分の中の醜い感情。






俺が言いたいことだけ言って、
あいつの声に耳を塞いだ。







『他の奴と幸せに・・・・・』






そんなこと、
本気で思ってるわけじゃない。



そんな感情、芽生えてこない。




“悲しいよ”



そう言ったのは、

醜い“嘘”で固められた感情の中で苦しむ





俺の心なのかもしれない。