隠れた心が見えた瞬間。
その瞬間を逃すことなく、
俺が拾っていく。
「何で好きな奴がいちゃダメなんだ?
いつまでもそんなこと言ってらんねぇぞ」
「いいんだよ、別に・・・・・・」
「だいたい創平は守りが硬すぎんだよ。
サッカーのポジションと一緒だな」
俺の言葉に眉間にしわを寄せ、
ついでに首まで傾げる創平。
小さく溜息を1つつくと、
小さい子に教えるみたいにゆっくり話す。
「いいか? お前はキーパーだろ?
守護神もかっこいいけど、
攻めるときは攻めろってこと」
「んだよそれ・・・・・・」
「もういいだろ、別に。
好きとか嫌いとか考えてするもんじゃねーし。
下手に考えるからダメなんだよ。
守りたいモンはキーパーらしく守ってみろ」
そう言った瞬間、
椅子から勢い良く立ち上がった創平。
走りながらドアまで急ぐ。
「創平! 教室!!」
そう叫ぶと、
「うっせー、ヘタレ! さんきゅー!!」
ってゆうのは聞いてないことにしよう。
つーか、ヘタレ?

