今! 2人とも噛み噛みだった!
ってゆうか、忘れてたけど!
貴大ってあかりが好きなんじゃないんだ!
待って待って、気持ちが付いて行かないよ~
真っ赤の顔のまま携帯を開くと、
あかりからの着信。
「もっ、もしもし。あかり?」
急いで出るけど、
電話の向こうからはあかりの声は聞こえない。
「もしもし? あかりー、あかりー?」
《・・・・・ぁ》
「え? なんて言ったの?」
《乃亜ぁ・・・・会いたいよぉ・・・》
聞いたことない弱気な声。
今にも泣き出しそうな、あかりの声。
「ちょ、どうしたの!?
今どこにいるの? なにかあったの!?」
あたしの声色が変わって、
貴大も近づいてきて「どうした?」って小さい声で聞いてきた。
「あかり? あかり!?」
《きょ、室にいる・・・・・》
「今すぐ行くから! 待ってて!!」
電話を切ると、
広げてあった勉強道具を鞄に投げ入れる。
「ごめん、貴大。あたしもう行くね? 」
「うん、よくわかねぇけど早く行ってやれ」

