あれ、落ちて、ない?

ってか、痛くない??



何があったかいまいち理解出来ずに、
貴大と絡まった視線をずらすと


体が固まった。

だって、だって、だって!!




コノ体勢は、なんですかー!?




貴大は左手で抱きかかえるようにあたしを
支えてて、

右手ではあたしが落ちたときに離した
参考書がキャッチされてた。

わぉ、ナイスキャッチ。




近いとか言う前に密着?
そんな状態のあたしたち。



もっとよく見ると、
貴大の足元にはたくさんの本が落ちてた。



あたしがひっぱった時に、
隣にあったやつまで落としちゃったのかな?

貴大に当たってないかなー?



・・・じゃなくって。




「あ、あの、もう大丈夫だから。
・・・・・・・離して、ほしいです」


「え? ・・・・あー、悪ぃ」



パッと離された腕。


シーンとした図書室特有の静けさが、
あたしたち2人を取り囲む。



た、貴大の顔が見れない・・・・っ!