閉じかけていた心の傷が、
パッカリ開いた気がした。
卒業式以来はじめてみる姿。
中学のときは化粧なんて
してなかったからな。
その所為か、
ずっとずっと綺麗に見えてしまった。
「久しぶりだね。
元気、だった・・・・・・?」
「・・・・・まぁ」
「卒業式以来だね。
そうちゃんカッコよくなったね」
話しかけんなよ。
何もなかったように話しかける渡辺に、
苛立ちを感じた。
どっかいけ、あかりが帰ってくる。
そう言いたかったのに、
口が開いてくれなかった。
座りながら見上げてるその視線すらそらすことが出来なかった。
こんなとこで会うなんて最低だ。
でも渡辺に何も言えない俺は、
もっと最低だ。
-side SOUHEY end-