ベガとアルタイルは、

天の川を挟んですぐ近くにあるように
見えるけど、実際は何万光年も離れてる。





天の川を渡ったら会えるなんてモンじゃない。






近い近いと思ってた存在が遠い。




深く考えた事ないけど、
距離なんて何も意味ないのかもしれない。




俺は勝手に柊には近い存在だと思ってた。




でも実際は、
あんなに長い髪をばっさり切るくらい遠い。






全然近づいてなんかなかった。

全部、俺の自惚れだ・・・・・・





俺がどんなに手を伸ばしても、
柊は俺が手を伸ばしてる事にすら気づかない。







届かない、モノなんだ・・・・・・







教科書やら参考書を強く握って、
俺はまた廊下を歩いた。