あたしは、そいつを無視した。


「ねぇ、大丈夫?
桐谷高校落ちて、滑り止め考えてなかったんでしょ?」


ブチ


「は?
落ちたからなんなんですか?
だいたい、なんで見ず知らずの人にそんな事言われなきゃいけないんですか?
それに、なんでついてくるんですか?
ついてこないで下さい。
警察に通報しますよ。」


はぁ〜、スッキリ♪

もう一生話しかけんなバーカ!!



「…すげー、真面目ちゃんでも文句言えんだねー。」


「話しかけないで下さい。」


「そんなこと言って、俺のこと相手にしてんじゃん♪」


うっわ…まじムカつく。
もう無視だな、無視!


「えー、しかとぉ?」


「…。」


「ってかさぁ〜君、高校行くとこ無いんでしょ?
なら俺んとこ来なよ。」


そっか…あたし高校行くとこ無いんだった…。


「…高校生なんですか?」


「おっ、返事してくれた♪
俺ねー…校長なの☆」


「は?…冗談は顔だけにして下さい。」


「ひっでー、俺そんなブサイクかなぁ…?
ってか、まじだよ!
だからさぁ、今度見学こない?」


「無理ですよ…親はココくらいじゃないと許しませんよ…。」


「そっかぁ…じゃあ俺がツバサの親、説得したげる♪」


「無理ですよ。…って、なんであたしの名前分かるんですか!?」


「なんでだろーね♪
じゃあ決定ねぇ〜!
今度見学来いよ。」


「ちょ、待っ…」


あーあ…走って行っちゃった。