背伸びしたら


「‥やっぱり名前で呼び合ってるんだ‥‥。」


そうトーンの落ちた声で話した清瀬さんを見て、私はようやく事態を飲み込むことができた。



「ち、ちがうよ? 清瀬さん何か誤解してる!!」


「誤解?私が?」


「私、遣汰とは中学も小学校もいっしょなの。だから、下の名前で呼んでるんだよ。」


なぜだか分からないけど、私は精一杯清瀬さんがしてるであろう誤解を解こうとした。


そうしたら、さっきの低いトーンの下がった声じゃない声で、


「えっ//そうだったの?」

って、うれしそうに答えた。



私だって、そこまでばかじゃないから、この時、この笑顔を見て知ってしまった。



清瀬さんは、遣汰のことが好き。