なんだか張り切っている美緒と裕大くんが懐中電灯を片手に、林の中へと進んでいった。




「ちょっと、怖いですわね」

「はぐれないように、腕に掴まってろよ」

「はい、星」




些細なやり取りだけど、そのやり取りを見て少し…胸が痛む。




ほんとは分かっていた事。




この旅行を奏さんはチャンスと言っていた。




けど、その代わり明日歌さんと星の2人の空間に邪魔をすることにもなるし、なによりー…





「では、行きましょう星」

「そーだな」




10分たったところで、星たちが林の中に進んでいった。





「…2人になったね」

「…はい」

「ー…あさちゃん…」




2人の寄り添う姿が、苦しくてしょうがない…。