「…そうか、あさちゃんは星の事見ていてくれてるんだね」

「そんなこと…ないです」

 


奏の言葉に、手をぎゅっと握る。




「たとえ星の事を見ていたとしても、星がなんでそんな事を言わなきゃならなかったのかなんて分からないいんですよ。それじゃ何の意味もないです」




星はきっと、一人で抱える気なんだと最後に会った日…星の顔を見て思ったんだ。




どんな重いものを背負おうとしているのかなんて分からない。




だからこそ、あたしは見ていることしか出来ない。





「アイツ、不器用だからな」




あたしの言葉に、奏さんは“星は相変わらずだな”と苦笑いを浮かべた。




「アイツが最後に出す決断は俺には分からない。けど、まだ終わりじゃない…今なら間に合うんだよ」

「…間に…合う」




奏さんの言葉に、胸がざわつく。




まだ…間に合うかな。




ならあたしは星に聞かなきゃいけない。