どれくらいの時が経っただろうか。



テレビも付いていない、音楽もかかってない静かな部屋では心臓の音が微かに聞こえる。



…星も、ドキドキしてるの?



恥ずかしくてうつむいていた顔を上げ、星の顔をゆっくり覗いた。




「…ふっ」

「なっ、なんだよ…」

「だって星、真面目な顔してるんだもん」

「するよ」



ギュッと、握られていた手に力がこもった。



…星?




「するよ、あさが居るだけでどうしたらいいかわかんなくなる」

「せ…」



名前を呼ぼうとした時、あたしの頬に温かな温もりを感じた。




壊れ物を扱うかのように、星があたしの頬を優しく触る。