特に行く場所を決めていないのに歩き出す背中に小さな疑問をぶつけてみる。
「ね…ねぇ、ズンズン進んでるけど、行くとこ決まってるの?」
「え?うん、決まってる」
「ふーん、そうなんだ」
「あっ、どっか行きたいとことかあった?」
「ううん、大丈夫」
とりあえず“行けば分かる”とのことだったから、場所は聞かずにとりあえず星の後を着いて行った。
「ここ」
そういって星に一軒のレストランに案内された。
「ここ…」
「場所は覚えてたんだ」
顔を上げると、見た事のある風景。
「…そりゃ、星に会った場所だし」
「まぁね」
あたし史上最悪で、でも運命が変わった出会いをした場所。
初めて星に出会った場所。
「あの、合コン会場のレストランだ」

