「あさちゃん」




校門で待っていると、ふと…名前を呼ばれた。




「!…貴ちゃん」

「元気そうで良かった」




声のする方へ振り向くと、駆けよる貴斗の姿があった。





「どうしたの、貴ちゃん。初めてだね?」

「あぁ、ちょっと様子見にね」

「ははっ、何それ」

「………(覚えて…無いよね)」

「?…貴ちゃん、なんか変」

「!…え…いや…」




じっとあたしを見つめる貴ちゃんに小さく首を傾げた。




「だ…誰か待っているみたいだけど…」

「あー、うん。ちょっとね」

「…中学生の彼氏?」

「んな!何でそんなこと知って…ってか、彼氏じゃないし」

「ふーん、そっか」





いたずらに貴斗が笑う。




も…もう、冗談か本気かわかんないじゃん。