どうやら“大切な話”とのこと。




「明日香さん」

「あささん」




明日香さんは学校が終わったらすぐにあたし達の学校に来てくれた。



そしてあたしは放課後、明日香さんの待つ校門へと向かったのだ。




「わざわざすいません」

「ううん、大丈夫だよ。それよりどうしたの?」

「あ、はい。一言お伝えだけしようと思いまして、婚約の事で」

「?」

「私、新しく奏と婚約する事にしました」

「!!」





驚くあたしに、明日香さんがフワッと笑う。





明日香さんが星の事好きなの、あたし知ってたのに。




あたしの…所為だよね。




あたしの気持ちに気付いてか、明日香さんがゆっくり続けた。




「…星の事は好き“でした”。でもその気持ちは言葉通り過去の事なんです。今は私も新しい恋を始めてるんです。小さいけど、たしかに“恋”です」

「…明日香さん」