「…何か、あったのか?」 「…落ちちゃったの」 「落ちた?」 ! 足を進めた先に、前へと進む道がない場所が見えた。 崖か? 滑らないようにゆっくり近づく。 そして近づき、下を覗き込む。 ふと…微かに人影が見えた。 「あさ!!」 「あっ…星!!」 少し、月明かりで顔が垣間見えた。 良かった。 崖はそこまで深くわなく、大きな怪我もしていないようだった。 あさの姿を見つけて、俺はホッと胸を撫で下ろした。