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暗闇に落ちていくような感覚だった。




この手からすり抜けていくあさの体温。





ほんとは…側に居れなくてもあさが笑ってくれてるならいいんだ。




友達と笑い話なんかして、恋人とデートして。





そう思うのに、心が痛いと…苦しいと泣き叫ぶ俺が居た。





あさを手放すと決めたとき、俺にとって一番辛い選択をしたのだと実感した。





いつかは、苦しさに耐えかねてあさの元へと向かってしまいそうな思いをなんとか押さえて。






あさの笑顔を守りたかった。





守れるなら、俺はどんなに苦しいことだってたえられる。