すっぽ抜けたのが悪夢の始まりだ。

 あたしの投げたカラーボールは、ハナダさんに当たってしまった。

 女子のリーダー的存在。

 ハナダさんは白い額を抑えると、整った顔を歪ませあたしをにらんできた。

 声は出してないが、頬には涙が垂れていた。

 ハナダさんの周囲のとりまきも、一斉にあたしたちをにらんできた。