学校に着くと誰もいなかった。
はぁ・・めんどくさ・・・と思いながらも職員室へ鍵を取りに行った。

カチャっという音がして教室の扉が開いた。
ガラガラと教室の開けにくい扉を横に引いた。
いいかげん、扉新しくしてよ・・・と思いつつ
一番端っこで窓側にある自分の席へ向かった。

誰もいないから、本を読んだ。
ライトノベル文庫。

本を読み始めて10分くらい経った頃
ガラガラと教室の扉が開いた。

あっ・・・
それは、密かに乃亜が恋焦がれている
馬場慶都くんだった。

「おはよう。」チラッと本から目を上げて平静を装ってあいさつしたら、
慶都くんの目もとが緩んで優しい声で
「うん。おはよう。萩田さん」と言ってくれた。
慶都くんとはあまりしゃべった事がなかったので
名前を覚えていてくれた事が嬉しかった。

沈黙が痛い・・・

何かしゃべらないと・・・と思っていたら
慶都くんと同時にしゃべってしまった・・。

「あのっ「萩田さ・・

・・・。