「あー…夢太、気にしない方がいいぜ?シッキョウは誰に対してもそんな感じだから」
退屈そうに欠伸をしながらそう言うチカに凄く救わた。
シッキョウの目は好きになれそうにない。
なぜなら…その少し下がった目元が暮羽さんのモノとよく似ていたから。
「…俺…一回夢太さんとやり合って見たいんだけど…いいですか?」
まさかそんな事を言われる何て思っていなかったから動揺してしまう。
「それは…」
僕がシッキョウのお願いに冷や汗を流しているとチカが間に入ってくれた。
「悪い事言わないからやめとけって、お前は夢太の冷血鉄仮面時代を知らないから仕方ないっちゃ仕方ないんだけどさ」
チカの言葉に正直傷ついたが、僕には思い出したくもない身に覚えが山程あるので返す言葉もない。
「…えー…だって俺の力を知って貰うのに効率よくねぇ? 」
確かにそうかも知れないけど…
「お前は本当に面倒くさいヤツだなぁ、それより夢太、仕事とやらはいいのか?」
腕時計で時間を確認するとそろそろ準備に取りかかった方がよさそうな時間だった。
「ごめん、じゃぁ行ってくるね。今日は夜2時には仕事が終わるから…3時半にここに来れる?」
「余裕だ余裕ー、それじゃぁ仕事頑張れよ?」
「……うん、二人も頑張ってね」
チカはまだ納得の言っていないシッキョウをなだめながら僕を送り出してくれた。
チカは…本当に優しい子だと思った。

