「そうなんだ、早く治るといいね」


ノイローとそんな事を話していると、アレジジュースをなんだかんだ飲み干した星男が僕の元に来た。


人っなつっこい笑顔で夢太君久しぶりー、と挨拶してくれるので僕も星男に久しぶりー、と返した。


星男が座れる様にノイローに引っ付いて座るように促したけど星男は俺は大丈夫です、と僕の隣に座らなかった。



胸がズクンッて痛くなった。



前に比べれば大分マシになったんだけど。



「星男、いいから座れ」


ノイローの言葉に星男はハッとしたように慌てた。


「違います、そう言う意味じゃなくてっ、直ぐに行かないといけないから…」


僕の顔色を窺うように僕の隣に腰を降ろす星男に、申し訳ない気持ちで一杯になる。


「大丈夫だから気にしないで」


僕がそう言っても星男はすまなさそうな顔をしていた。



星男、ノイロー、ごめん。


…時々、ノイロー達に出会う以前の自分の姿が頭をよぎって怖くなってしまうんだ。


勿論星男の事でもないし、ノイローやアレジが怖いっていう訳でもない。


自分が人間では無い…気味の悪いものに戻ってしまうのが怖くなるだけ。


そしてそんな自分を嫌悪してるんじゃないかって思ってしまうんだ。




「二人ともそろそろ行かなくていいの?」


アレジの柔らかい声によって居心地の悪さから解放された。


アレジの声に、ノイローと星男は慌てた様に立ち上がり支度を始めた。



「夢太君、明日からよろしくお願いします」


「うん。気を付けてね」



何か今日は気分が乗らないから図書館に行くのはやめよう。