俺とノイローは安いジャンクフードで構わなかったが、夢太には何がいいのかわからなかった。
ホロには最初の内はジュースや柔らかい消化にいいものを食べさせるように言われた。
意味はわかる。
夢太は今まで水しか口に入れたことが無いらしかったから。
結局バイクを長いこと無駄に走らせてしまって戻るのが遅くなってしまい、ノイローに愚痴を散々溢されるはめになった。
「つーかお前その袋はなんなんだよ、俺にはカスっカスっのチキン食わせておいて。」
そのカスっカスのチキンを旨そうに食べているんだから別にいいじゃないかと言いたいところだが、そんなことを言うとノイローが拗ね始めるのが目に見えているので心の内に留めておく。
「俺ももっとマシなモノが食べたいから頑張って働いてよ。」
俺がそう返すとノイローは、俺はやるぜ?見てろよ直ぐに旨いもん食わしてやるから、と闘志を燃やした。
これは二人で話あった結果に行きついた結論だった。
正直ガキはあんまり得意ではないと言うノイローと、しばらく外の世界から離れたかった俺。
何も問題はなかった。
今思えばこれはノイローの不器用な優しさだったのだと思う。

