“お前のせいでアレジが病んじまってしょーがねぇ、今起こしてくるから待ってろ”


「…うん、わかった」


ノイローのその言葉を聞いて、悪いことをしたなぁと思う反面心配してくれていたと言うことが嬉しかった。


しばらくして受話器の向こうでなにやら二人が揉めているような声がしたと思ったらアレジの優しい声が聞こえてきて我慢していた涙がついに溢れだした。



“大丈夫なのか?暮羽に閉じ込められてるんだろ?今どこにいるんだ?”


僕は言葉につまりながら、暮羽さんとの取引のことと、まだしばらく帰れそうにないことをアレジに説明した。

こんな僕を心配してくれる人なんて、どこを探してもノイローとアレジ以外にいない。



絶対いない







“…事情はわかった、本当はお前の弟のことなんて放っておいて今からでも夢太を迎えにいきたいけど…夢太はそう言う訳にはいかないんだろ?”


「…ごめんなさい…、」


謝る僕にアレジはため息をつくと僕に約束をさせた。


一つは毎日かけれる時にウチに電話すること。


もう一つは何かあったら一人で考えずにノイローとアレジに相談すること。


夢太は一人で悩むと、とことん悪い方に自分を追い詰めるからって。


さすが僕の両親、僕のことをよくわかってる。


今まさに悪い方に自分を追い詰めていところだった僕は、ずばり言い当てられて苦笑いするしかなかった。