他の子達は数の小さいナンバーを奪いあっていたけど、僕にはそれが理解出来なかった。
ナンバーで呼ばれるのなんて大嫌いだ。
僕をジロジロと見つめてくる青年と同じ様に僕が青年を観察していると、突然青年はサングラスを外した。
「お前…まさか…っ00、No.00かっ?!」
さっきまで落ち着いていた青年は急に声を荒らげ僕に掴みかかって来た。
「ちょっ…と、何…」
直ぐに退かそうとしたが…青年の目に涙が浮かんでいる事に気付き抵抗をやめた。
その幼い泣き顔には見覚えがあった。
青年はガタガタと腕を揺らしながら持っていた銃を僕の顎の下に突き付けた。
「ずっとっ…ずっとお前をこの手で殺してやりたいと思ってたっ!!」
思い出した…、彼の以前のナンバーは86。
「何しに今更戻ってきたんだよっ!!」
そして彼には僕と同い年の兄がいた。
「また誰かを殺すのか?前見たいに…」
僕は彼に恨まれても仕方がない。
何故なら遠い過去に…僕は彼の兄をこの手て殺したのだから。
ポタポタと落ちてくる涙は僕の頬を伝い首筋に流れていった。

