右に6
左に3
絶対に自分の死角に入らせない
そしてより素早く
弾を使わずに感覚を探る様に何度も同じ動きを繰り返す。
暫くそうしていると背後に人の気配を感じて思わず振り返り銃口を額に向け引き金を引いてしまった。
ソコには僕と同じ様に銃をこちらに向けるさっきの青年の姿があった。
びっくりした、でもやっぱりイメージだけでは限界があるな…
でも人の気配には無意識に体が反応するみたいだから、実戦で直接思い出して行くしかないのかも知れない。
…弾を入れて無くてよかった。
金髪の青年は僕に銃口を向けたまま動かない。
以前の僕なら“白い方”で生活する他の子達に憎しみしか抱いていなかったけど…今は憎しみは全くと言っていい程無かった。
この6年の間にハウスの子達が成長したように僕も成長した。
僕はもっていた銃二丁とジャックナイフを腰におさめた。
「…だ…誰だお前っ…」
少し上ずった声でそう聞いてくる青年に何て答えていいのかわからなかった。
多分前からここにいる子なら過去に一回は接触した事があると思うけど…全員覚えてる訳じゃないからなぁ…
「ここにはお前見たいに小さいのは居ないはずだ」
…小さいのって。
多分同い年か年上だと思うんだけとな…
後から入ってきた子ならわからないけど。
「…ぇっと、話せば長いんだけど…一応ここの関係者かな…」
しどろもどろに答える僕に青年は警戒心をむき出しにする。
青年の胸についてあるバッジを見るとNo.02と書かれていて、今のここのNo.2はこの青年である事がわかった。
ナンバーは数が小さい程技術が高く強い。
他の子達にはナンバー以外にもちゃんとした名前があって、ナンバーはよく変動する。

