中の手紙には仕事が一件しか書かれていなかった。

この仕事のデキで僕の今の力がどんなものか判断するつもりなんだと悟った。

時間は深夜に指定されていたので時間は十分にある。


僕は先ず最初に“僕の食料”が置いてある医療部屋に行き体を調整し、その足で僕専用の武器庫に足を運んだ。

暮羽さんからもらった鍵で武器庫を開けるとまるで当時のままだった。

過去の自分にとって唯一信じられるものがソコにはあった。


懐かしさと同時に悲しくなる。

武器を大切に守るように丁寧にビニールをかけていた過去の自分に感謝し、仕事に行く為だけに作られた専用の服に着替えると、当時の感覚を体に感じてまた悲しくなった。



暮羽さんは今の僕を信用していない見たいだったが、正直僕には昔の感触を思い出す自信があった。


常に忘れたいと思って今の今まで努力して、それでも忘れられない程に過去の記憶が僕の頭を支配しているのだから。


ノイローのお陰で腕の鈍りの心配はない。


後は感触さえ思い出せばいい。







訓練場に行くと中から銃声が聞こえ、足を止めた。


まだ時間が早いから一人じめ出来ると勝手に思い込んでいたがどうやら熱心な子がいるらしい。


丁度よかった、誰にするか決めなくてならないから他の子達と接触出来るのは凄く助かる。



ガラガラと煩い古い鉄の扉をこじ開け中に入ると、一心不乱に天井からぶら下がる複数の的に弾を撃ち込む青年の姿があった。


顔はサングラスを掛けていたのでわからない。


でもアチコチに跳ねている金髪にはなんだか見覚えがあるような気がした。



少しきになったが今は取り敢えず少しでも長く武器に触れたくて構わず練習する事にした。


話をするのは少し動きに慣れてからにしよう。


僕は武器庫から一番よく使っていた一般的なライフルと古い型の拳銃を二丁、そしてジャックナイフを持ち出していた。


今日の仕事は、ターゲットの数が多い上に短時間でこなさなければならない。


僕は実戦をイメージして体の動きを確認する事にした。