「そんなの簡単なことじゃない」
今まで黙っていたが一人で考えるのにも限界があり、ホロにアレジの事とガキのことを相談すると、ホロは目をぱちぱちと大げさに瞬きさせた。
俺はホロの言葉の意味がまるでわからず、なにが？と聞き返すとなぜか思いっきり足を踏まれた。
「痛ぇよっ？！今俺何もしてねぇだろうがっ！？」
理不尽な振る舞いに喚く俺に、ホロはあらごめんなさいと薄っぺらい謝罪をした。
…今のはぜってぇ俺がホロに頭が上がらないことをいいことに日頃の病院でのストレスを俺にぶつけやがったな…
「どうして今まで気づかなかったんだろ私」
ホロはそう言って立ち上がり、ウロウロ歩き始めた。
…んなこと俺が知るかってんだ。
「これで何もかも解決よ」
「だから何のことだよ？」
我慢できず答えを急かすと、ホロは歩き回っていた足を止めニコッと微笑んだ。
「貴方達があの子を育てればいいわ」
余りに衝撃的なホロの発言に、思わず飲んでいた濃すぎるコーヒーをふきだした。
