翌日の早朝
久しぶりに十分な休息を得られて幾分かスッキリした様に見えるアレジは俺の顔を見て驚いた。
「……ノイロー…何か昨日よりヤツれてない…?」
「…あのガキと一緒に居れば誰でもヤツれる」
俺がそう言うとすまなさそうな顔をしたので、気にするな、と言ってやる。
アレジは壁際で布団に埋もれているガキに視線を移すと再び首を傾げた。
「…何で床で寝てるんだ?」
「……知らね、ベッドが嫌なんじゃねぇの?」
例のガキは相当疲労していたらしく、アレジが部屋に入って来ても目を覚ます気配は全くない。
この日ホロは医療関係の会合とやらにでなければならないらしく、まだ完璧ではないガキの為に薬やらなんやらをキッチリ準備してそれら全ての説明がびっしり書かれたメモを俺に託し、早々に家を出ていった。
俺達一生ホロには頭があがらねぇかもしれねぇ…
俺達はあの女が死んじまった事で目的を失ってしまい、更にこの件を終わらす鍵を握るガキは死んだように寝ているので、仕方なくガキが目を覚ますまで離れて観察する事にした。
「…昨日あの子供と何か話したのか?」
目の下にクマを浮かべている俺をアレジは心配してそう尋ねてくる。
「少しな、喋ると怒られると思って何も喋らなかった見たいだぜ」
「…それは悪い事をしたな、後で謝らないと…」
アレジは昨日の自分の行動を悔やんでいるみたいで、俺にはそれが少し羨ましかった。
俺には死んで感情をコントロール出来なくなる程に怒り悲しむ価値のある親がいねぇからな。
たとえ俺の母親が同じ目にあったとしても怒りもしなければ泣きもしねぇと思う。
この世は相変わらず不平等に出来てやがる。
生きる価値のある人間を殺し、価値のない人間を生かしてるんだからな。
まぁでもそれは仕方ねぇか、俺も他の奴らから見ると価値のない人間なんだろうし…
ついいつもの癖で煙草に手を伸ばしかけてしまったが、同じ部屋に哀れな姿をしたガキがいる事を思いだし手を引っ込めた。
久しぶりに十分な休息を得られて幾分かスッキリした様に見えるアレジは俺の顔を見て驚いた。
「……ノイロー…何か昨日よりヤツれてない…?」
「…あのガキと一緒に居れば誰でもヤツれる」
俺がそう言うとすまなさそうな顔をしたので、気にするな、と言ってやる。
アレジは壁際で布団に埋もれているガキに視線を移すと再び首を傾げた。
「…何で床で寝てるんだ?」
「……知らね、ベッドが嫌なんじゃねぇの?」
例のガキは相当疲労していたらしく、アレジが部屋に入って来ても目を覚ます気配は全くない。
この日ホロは医療関係の会合とやらにでなければならないらしく、まだ完璧ではないガキの為に薬やらなんやらをキッチリ準備してそれら全ての説明がびっしり書かれたメモを俺に託し、早々に家を出ていった。
俺達一生ホロには頭があがらねぇかもしれねぇ…
俺達はあの女が死んじまった事で目的を失ってしまい、更にこの件を終わらす鍵を握るガキは死んだように寝ているので、仕方なくガキが目を覚ますまで離れて観察する事にした。
「…昨日あの子供と何か話したのか?」
目の下にクマを浮かべている俺をアレジは心配してそう尋ねてくる。
「少しな、喋ると怒られると思って何も喋らなかった見たいだぜ」
「…それは悪い事をしたな、後で謝らないと…」
アレジは昨日の自分の行動を悔やんでいるみたいで、俺にはそれが少し羨ましかった。
俺には死んで感情をコントロール出来なくなる程に怒り悲しむ価値のある親がいねぇからな。
たとえ俺の母親が同じ目にあったとしても怒りもしなければ泣きもしねぇと思う。
この世は相変わらず不平等に出来てやがる。
生きる価値のある人間を殺し、価値のない人間を生かしてるんだからな。
まぁでもそれは仕方ねぇか、俺も他の奴らから見ると価値のない人間なんだろうし…
ついいつもの癖で煙草に手を伸ばしかけてしまったが、同じ部屋に哀れな姿をしたガキがいる事を思いだし手を引っ込めた。

