…わかんねぇ…ー


まぁ…見た感じ7、8才って所だから仕方ねぇか。


「ベッドが嫌いなのか?」


「ち…がう、…いつも床でねてるからっ、」

俺の様子を伺うようにそう言うガキに冷や汗が流れた。


…今なんつった?

痩せ方が尋常じゃねぇからタチノワルイ病気か何かだろうとは思ったが………虐待か…?


女をスプラッタにするガキで虐待って…


ぁあ゛ーっ、わっかんねー…




…落ち着け俺、今はそんな事よりコイツを寝かせるのが先だ。


仕方ねぇ、布団を下に移すか…

俺は重い腰をあげるとベッドのマットと布団の間に腕を入れ、枕ごと床に降ろした。


「…なにして…」

警戒するように俺を監視するガキにため息がでる。


「何って…お前の為にワザワザ降ろしてやってんだよ」

俺のその言葉にガキはこれまでに無いぐらいに目を見開いた。

…なんだ、表情っつーもんがちゃんとあるんじゃねぇか。


人間らしい所が一つ見つかって、警戒心が薄れていく。


ガキが持っていた武器は別の部屋に移動させたし、この部屋には武器になりそうなもんはねぇ。


漸くガキとの空気に馴れてきた俺は、目を見開いたまま固まってしまったガキを無視してガキが寝やすいように布団をガキの直ぐ側まで移動させた。

俺が近づくとガキの体がビクッと反応したが今は気に止めないことにした。


「ほら、早く寝ろよ」

布団を捲り、敷き布団を叩いてやると相変わらず目を見開いたままオズオズと布団の中に入ってきた。


得体の知れないものを見るような目で俺を見つめてくるガキになんだか納得が行かなかったが、最後にもう一度強めに寝るように指示すると漸く目を閉じてくれた。

















アレジ…、もしかしたら俺達とんでもねぇ拾いもんをしちまったかも知れないぜ…?


…結局その晩も俺は眠る事が出来なかった。