「…何か言えよ」

アレジの口調が荒くなりイライラしているのがわかる。


「アレジ…強い言い方はやめて」

ホロの注意にアレジは耳を傾けはするが…どうしても堪える事が困難なようで、銃を掴んでいる手が強く握りすぎるが為に震えだしている。


そんなアレジを見ても固く口を閉ざしたままのガキにとうとう…アレジがキレた。




「…何で殺したのか聞いてんだよっ?!!」

怒鳴りながらガキに掴みかかり、拳銃を突き付けようとするアレジを慌ててガキから引き離した。


「アレジっヤメロって、」


「離せっ…、こうするのが一番早いんだよ!!」


アレジは体を拘束する俺の腕から逃れようと本気で力を出してくるので俺も本気で止めなければならなかった。


「どうしたのよアレジ、いつもの貴方らしくないじゃないっ?」

こんなに感情を露にするアレジをホロは初めて見るようで動揺しているようだった。


俺だって見たことねぇよ。


大概コイツと同じ時間を共有したがこんなアレジは初めてだ。

俺がそうなんだからホロが驚くのは当然だろ。


「らしくないってなんだよ?じゃぁ今の俺はなんなんだよ…イカれてるって?」

急にアレジの体から力が抜けていき、崩れそうになるのを支えた。

俺はアレジの持っていた銃を元の位置に戻し、壁際に置かれている椅子にアレジを座らせた。


アレジは少し冷静になったらしく、小さくゴメン…と溢した。


「アレジ…別にお前はイカれてねぇよ。疲れてるだけだ、ここ最近ろくに寝てねぇからな。」

俺がそう言うと気休めにはなったのか、壁に寄りかかり動かなくなった。



またガキが怯え始めたんじゃねぇかとガキの方に目を向けたが、ガキは顔色一つ変えていなかった。