実際に会った事も無い弟なんか知らない。

僕には関係無い。


そう言い捨ててここから出ていけばいい。

そうすればもうこのヘブンズ ハウスとも暮羽さんとも縁を切ることが出来る。


でも僕には出来ない。

出来る訳が無い。


どんな酷い事をされても愛情欲しさに憎んだ事は無かったけど今は貴方が憎いです。


あんなに愛らしく無邪気に笑う弟を僕と同じ目に合わせようとするなんて信じられない。

しかも今度は僕の時の教訓から決して手放したりはしないんでしょ?

あんなに汚く醜い生き物だった僕はこんなに変わる事が出来たのに、貴方は何一つ変わっていないんですね。




僕が断れない事をわかっていてそんな事を言うのは卑怯だ。








ノイロー、アレジごめん


でも負けないから


絶対に屈したりしないから




直ぐに帰るって言う約束は守れないけど絶対に帰るから



僕はウチに帰る事を諦めない。


僕は僕を見下ろして笑みを浮かべる悪魔を出来る限りの全てを込めて睨み返した。