「…っ?うわ゛ぁ゛ぁ゛…?!!耳が…っ、耳がぁっ!!」
ボタボタと床に赤い液体が落ちていき白い床を赤くなる。
後一秒でも遅ければ額に当たってたんだと思う。
他の男達はシャツの襟やサングラスに当たったみたいだった。
ここの空気が僕にそう言う命令を仕向けて来ているのか知らないけど、幼い頃から僕に植え付けられたモノは簡単に消えてはくれない事実に瞼が熱くなった。
耳を抑え走り去る男を見て他の男達は僕に銃口を向け後退りした。
嫌だ。
早くアレジとノイローの所に帰りたい。
…
でもその為には暮羽さんに会わないといけない。
もういい正面から律儀に入るのはやめる。
奥から聞こえてくる沢山の足音に僕は足早に自動扉の外に出た。
綺麗な夢太Jrを汚したくなかった。

