そういえば物心がつく頃からここにいたけど、こうやって堂々と正面から一人で入ることなんてなかったかも。


まぁ…それが良いことなのか悪いことなのかそれすらわからないんだけどね。


自動で開く固い金属で造られた防弾扉が耳障りな音をたてて開かれる。



ここまでは外から見た事があるからわかる。

けどこの先はどうすればいいのかわからない。


さっそく中にいた数人のガードマンらしき人達に捕まってしまった。


黒いスーツにサングラス。きっと腰には銃がささってる。


前にノイローに連れて行って貰ったナイスバディなオネイサンが沢山出てくる映画に似たような敵役がいた事を思い出してしまった。

だからなんか可笑しい。


全身真っ黒な男の一人が僕の腕を乱暴に掴んだ。


その感触に体が冷えていく。



「見ない顔だな…バッジを見せろ。」

男はそう言って僕に不信の目を向けた。