彼等は今どうしているんだろうか。


立派な殺し屋になってよそで雇われているのかも知れない。




その方がいい…絶対。
どんな形にしろあそこにいるべきではない。


到着間近のアナウンスが耳に入ってきたので僕はゆっくり深呼吸をして目を閉じた。


こんな時にだけ時間が過ぎるのが早いなんてズルいよ。




重たい足を引きずるように電車から降りて駅を出ると自分の記憶していた風景と少しずつ違っていて…、それが逆に僕の心臓を少しだけ落ち着かせた。

それでもやっぱり…建物や道路を綺麗にしても昼間だと言うのに誰一人外に出ている気配がない。

それにどの家もドアは固く閉じられ、窓はカーテンで覆われ家の中の様子がまるで見えない。

ここに比べれば僕らの住んでいる町は何倍も大丈夫な気がする。


この町の空気、僕は大嫌いだった。









駅から20分くらい歩くと僕の過去の世界…“ヘブンズ ハウス”がそこにあった。



意味が理解できる今、その余りにも不釣り合いな名前に嫌悪感を抱いてしまう。



…“天国の家”?ここが天国なら地獄がどんなか想像もしたくないな…


見た目はお洒落な牢獄。

あくまで僕視点だけど。