翌日運悪くノイローの休みが重なってしまい、下手くそな言い訳を言ってしまった僕にノイローは怖い顔をしてアレジは哀しそうな顔をした。

そう言う訳で朝っぱらから台所で家族会議。


「…何で黙ってた」

足を揺らしながらすっかり説教モードに入っているノイローが僕をギロリと睨む。

「べ…別にずっと黙ってるつもりはなかったんだよ?ただもう少し考える時間が欲しくて…」

最後まで言い終わらない内にノイローに、お前がいくら考えた所でたかがしれてんだよっ?!っと頭をバシッと殴られた。


ヒドイ


痛い。


ウチって結構バイオレンスな家庭だ。

一般的に父子家庭ってこう言う感じなんだろうか。



「…で、行くのか夢太?」


アレジの瞳は台所のライトのせいで曇ってみえる。

アレジの言葉の意味が一つではないことは直ぐにわかった。

単純に手紙に書かれていた内容に従うのかということ。

そしてもうここには戻ってこないのかということだ。


「どんな理由で僕に戻ってこいなんて言うのか全くわからないけど…ちゃんと話すよ。
僕には大好きな家族ができたから嫌だって、だからすぐに帰ってくるよアレジ」

アレジに僕の気持ちが上手く伝わったかはわからないけど少しだけアレジの表情が緩んだ気がした。