「なになに、何の話?」

家事が一息ついて心なしかすっきりした顔のアレジが床に仰向けに転がるノイローをまたいでソファに腰を降ろした。


「こいつに彼女が出来ねーっつー話」

ノイローは顎で僕の方を指す。


「まぁ…健全な18の男だったら…そういうお年頃だな」


なんだか言葉を濁すアレジに、…だろ?っとノイローは肩をすくめる。





「二人だって彼女作らないくせに」




僕が二人にそう言うとアレジは目を泳がせ、ノイローは思いつめたように息を吐いた。


僕からみれば24才の若さで子育てをしている二人だって十分かわってると思う。

まぁ二人のおかげで僕の命があるわけだからそんなことは言わないけど。

不思議でたまらないと言うような眼差しを向けていると重そうにアレジが口を開いた。



「そういうのは…夢太が大人になってからゆっくり考えるよ」


…だから大人って言うのはいつなのさ?


そう聞きたくて堪らない所だが、その期間を知りたいようで知りたくない自分もいるので押し黙ってしまう。

「アレジは女々しい所があるからモテねぇんだろ」

そういってからかうようにケラケラと笑うノイローに顔をしかめるアレジ。


「そういうノイローはなんで最近彼女作らないんだ?自分はさぞかしモテモテなんだろ?」

嫌味たっぷりで聞き返すアレジだったが、そんなアレジの嫌味が通じていないのかノイローは真面目くさった顔をして僕らを交互にみた。