「おい…、何泣いてんだよ…お前…」
「夢太…?どうした…っ?」
急にボロボロと涙を流し始める僕に二人は慌て始める。
「ノイロー…」
普段よりも低いトーンの声を出すアレジにノイローは吸っていた煙草を灰皿に押し付けた。
「そんなに強く殴ってねぇぞ俺…?」
「いいや…俺の可愛い可愛い夢太を2回も殴った。明日は人参ジュースだな」
「はああ゛っ?!」
トンチンカンなことを言っている二人が面白くて噴き出してしまった。
「…人が心配してやってんのに笑うとは…いい根性してんじゃねえの」
ノイローはそう言ってなんだか拗ねてしまったけど、僕がこんな些細なやり取りにどれだけ救われてるか、わかってないんだろうな…
「まぁまぁ。夢太が笑ったんだからいいじゃない」
完璧拗ねモードに入ったノイローをよしよしと宥めるアレジ。
そんな二人のなんだか微笑ましい光景に、やっぱり最後にはいつもと同じ結論がでる。
ノイローとアレジには幸せでいて欲しいってこと。
だから僕は一刻も早く答えを見つけなくてはいけない。
その日、僕は久しぶりにノイローとアレジのベッドに潜り込んだ。
ノイローはぶちぶちと文句をいいながらも僕を腕の中に入れてくれて、アレジはそんな僕らの様子を見て側でニコニコしながら僕の髪を優しく撫でてくれた。
昔と変わらずに接してくれるのが嬉しくて、そして安心した。
懐かしい温もりに包まれて久しぶりにグッスリ眠ることができた。

