僕は二人を見送って、自分の部屋に閉じ籠ることにした。
その日の夜。
ノイローが帰って来てからみんなで晩御飯を食べて、テレビの前で寛ぐ二人に聞いてみた。
「僕、あとどれ位此処にいてもいいの?」
僕がそう言うと二人は目を見開いた。
アレジは持っていたテレビのリモコンを落とし、ノイローに至っては読んでいた新聞を握り潰し、バシッと僕の頭を殴った。
ひどい。
「痛いよっ?!なんで殴るのさ?!」
すぐさまノイローに抗議するが当たり前だ馬鹿、と今度は新聞で殴られた。
家庭内暴力反対。
「何をどうしたらそう言う質問が出てくんだよ?!」
僕はノイローが怒る意味がわからなくて目を丸くするしかない。
「ホロになにか言われた?」
アレジの問いに僕は首を横にふる。別にホロは悪くない。
ただ…僕が二人と別々の道を歩むことになる近い将来、僕はノイローやアレジみたいにキラキラした生き方が出来るのかなって。
勿論、今まで色々勉強したし、いろんなことを教わった。
だから自立と言う意味では不安はない。寧ろワクワクするよ。
でもそれはノイローとアレジが僕の中にしっかり存在していること前提なんだ。
僕を人として扱ってくれる二人が居ない所になんか行きたくない。
アイスクリーム屋だって隣町でやろうと思ってたし、住む所だっていつでもここに戻ってこれる場所にするつもりだったし。
でも二人には二人のこれからの人生があって…僕の我侭で縛ることはできない。
考えれば考える程悪いようにしか考えられないよ。
僕の住むこの世界にはノイロー達の他にまともなやつはいないんでしょ?

