それは、時々 聴こえてくる唄。 その唄は周りの人には 聴こえず、 そしてその唄は 人の「悲しみ」と 連動している。 「大分近くなってる…。」 森の中を歩く事10分。 月も見えず、自分の荒い息が聞こえてくる。 そして、自分の息の他に聴こえてくるもの。 『唄』。 涙を誘うようなこの音色の唄は何処かで聴いた事があり、『許し』の唄だと誰かが言っていた。 「―――誰かいるのか?」 .